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星組『1789』大千秋楽LVを観てきた。まずは休演から戻ってきた礼さんを含め、無事に公演が終わってよかったなと思う。宝塚大劇場の千秋楽を観たときもあまりの迫力にびっくりしたけれど、ほんとうにレベルの高いパフォーマンスで、歌もダンスも凄かった。

でも、観客がこういうことを言うのは演者にとっては不本意だろうと思うし、公演中止や主演の休演に動揺して見ない方がいいインターネットを見まくってしまっていた私には先入観もあったと思うんだけど…非常に負荷のかかる、厳しい公演だったんだな、というのは感じてしまった。すごく歌がうまくて、大楽でも歌えていなかったわけではまったくないけど、私にも察知できるレベルで喉がしんどそうな演者さんもいたし…

二幕冒頭の「誰の為に踊らされているのか」がとても好きなんだけど、「誰のために踊らされているのかよく見極めろ」という歌詞がいつまでも頭の中を回っている。
そもそも「自由と平等のために戦う」という演目を、権威主義的で、トップスターを中心とした厳然たるヒエラルキーがある宝塚歌劇団という劇団で上演するということじたいが、壮大な皮肉なんじゃないか、などとも思ってしまった。イヤな観客だな…

パフォーマンスはほんとうにみんな素晴らしかっただけに、複雑な気持ち。

舞台上の演者の不調にハラハラしながらステージを見守る、という経験は四半世紀バンドのライヴに通っていたあいだにも何度かあったけど、観ている側も勝手にかなり疲れてしまうんですよね…

礼さんはそのあたりのことを痛いほどわかっていて、だからこそカーテンコールのあの挨拶だったのだろうと思う。ほんとうに真面目で責任感の強い人なのだなと感じた。

ただ、個人的には、とくに緞帳前でのコメントは聞いてもあまり安心はできなかった、というより逆にモヤモヤしてしまったな…
もちろん、事実無根のことを週刊誌に書きたてられれば腹に据えかねるし、ファンのためにも言わずにはいられなかったのだろうと想像するけれど、なんか…宙組のハラスメントが週刊誌で報道されたとき、書かれた当の本人がコンサートのMCで直接エモーショナルに「説明」してうやむやになったときのことを思い出してしまった。あのときと同じなんじゃないのか?

タカラジェンヌはいつだって潔白、悪いのはすべて歌劇団、と言うつもりもないけど…個人を矢面に立たせてごまかしているように見える。
所属している個人としての発信を制限している(ぜんぜん「自由」じゃないな?!)のなら、せめて組織は説明すべきことを責任をもってしっかり説明し、構成員を守ってほしいと切実に思う。

ごちゃごちゃ書いてしまったけど、礼さんの歌はほんとうに好きで、だからこそ切実に10年後20年後も元気に歌っていてほしいんだよな…。
でもこの願望は「どうか男役として燃え尽きてしまわないで」の裏返しなので、礼さん的にはこんなこと願われてもぜんぜん嬉しくないのかも知れない…うう…。
宝塚歌劇団がもっとフラットな広い世界で、男役として所属したままでいろいろな経験を積める環境ならもう何年でもいてくれと思うけど、現状私のような浅いファンからはぜんぜんそうは見えないんですよ…

あと「組織は説明すべきことは責任をもってしっかり説明しろ」と言ってるのは、ジェンヌさんの体調などの個人情報を詳らかにしろという意味ではないし、ジェンヌ個人は余計なことを言うなということでもないです。
週刊誌報道を否定したいなら、歌劇団の名前で正当な手続きをもって抗議しろ、中途半端に匂わせみたいなことをするな、まして当の本人にステージ上で喋らせてふわっと解決したことにするな、とにかく組織としてきちんと責任を持って盾となれ、ということです。

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