『STAND UP』最終回バレ感想 

創作作品として、いやこれどう畳むの~!?と思っていたが、やはり「終わらない」のだということに、だよね……とやや虚脱している。
朝日がどれだけ加害を償いたいと思っても、被害者の立場にされたスバルが「お前の顔も見たくない、二度と関わるな、自分はもう忘れたいのだ」と拒絶したら、償えることは何が残るんだろうか。拒絶を拒否してまで償いの機会を乞い続けたら、それは加害者のエゴで、自己満足で、自分が救われたいだけの更なる加害にもなり得るのではないか。でもそう考えて許しを乞うことを、償いを引っ込めたら、それだって自己保身ではないのか。どうしたらいいのか、どうすればいいのか。

後半は私が日々沖縄県・琉球王国に関して考えていることだ。「どの面下げて」と「私が言うな」を繰り返し続ける。私の場合は対個人ではないので、謝罪と償いを拒否され引き下がって終わりにはならない。

取り返しのつかないもの事にどうしたらいいのかということに、単純明快な「正解」なんていう都合のいいものはない。

朝日も終わっていないし、スバルの苦しみも終わっていない。2人の関係が作中ではひとまず途絶えなかったことがかすかな「希望」ではあるが、その先に何があるかはわからない。

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『STAND UP』最終回バレ感想続き 

ハッキリとオチンポソーシャルの体現者にもならず、「中途半端」でなぁなぁにやってこられた朝日への、一馬の「お前もこっち側だろ」「こっちに来いよ」という引きずり込みたい執念はかなりグロテスクなものであった。
オチンポ仲良しグループを怒声で拒絶し、一馬からしたら「スバルを選んだ」朝日はおそらく「裏切り者」だ。
目に浮かぶようではないか?「お前だって一緒になって笑ってたくせに」「何今更“正義”ぶってんの?」となじり続ける様子が。今度は一馬によって、朝日の様々な言動がネットにばらまかれるかもしれない。なんなら「やるだろうな」という架空のキャラクターなのに確信めいた感情すら湧く。

辛いシーンも数多い作品ではあるが、スバルの元教え子が「無理」だと泣くシーンと、ひばりが「奥さんだったらよかったのに」と言われた後の涙ぐんだあの悲痛な表情がとにかく心に焼き付いている。日々のふとした瞬間に度々思い出している。

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