座布団を十枚ためて木瓜の花
お前も雛人形にしてやろうか
卒業と言えば逢瀬も許される
春の月盗んだバイクが盗まれる
寒戻るアンカレッジを経由して
伊予柑が置かれただけの被告席
静寂を破る(お風呂が沸きました)夢はだいたい泡になります
風船とウソの見分けがつきません
鶯が削られてゆく予算案
梅だから抱いてもらえないのですか
春節が抜け落ちている解剖図
春の服きみがだんだん遠くなる
エコノミークラスを梅と呼ばないで
No Woman, No Cryとは言えなくてガラスの欠けた夜をみていた
街灯のひとつひとつが寂しげな詩を紡いでる星に住んでる
アディショナルタイムに落ちた牡丹雪
ひとひらの雪の行方を追うように忘れられない恋があります
行間を雪のあかりが照らすからぼくは金魚になれそうもない
立春が部屋を出て行こうとしない
夕方のペットショップでまっしろな仔犬が西の空を見ていた
詩と散文。ここでは短詩をメインに書いていく予定です。