今週の「光る君へ」に藤原為時が花山天皇に漢詩を教えるシーンがある。そこで為時が中国語で音読しているのは一体何か。はっきり言って発音から何を話しているかさっぱり分からず、こういうときは集合知の力を借りるということでXのハッシュタグを流してみると、いるんですね。さすがです。
https://twitter.com/kysn/status/1764248281025335369
字幕の力を借りれば良かったのか!
この方が早速特定しているように、これは為時作の漢詩で『本朝麗藻』に収録されているようです。
漢文文献についてはネットにフリーのファイルが落ちていないのですが、目加田さくを氏「源氏物語論」という論文に引用されているのがヒットしました。
https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwi-yc2PhNiEAxXEs1YBHeTXBjAQFnoECA8QAQ&url=https://fwu.repo.nii.ac.jp/record/1680/files/KJ00000148566.pdf&usg=AOvVaw3tx4_LNI29hct8Olt9a91J&opi=89978449
仲尼昔夢周公
聖智莫言時代過…
こうしてみると現代中国語で演じていた模様。「莫言」のところモウヤンって何だろうと思っていたが、現代中国語のピンイン"moyan"を発音していたのだと分かりました。「バクゲン」でいいのよ、当時の漢音に措定して読むならば!
こうやって漢文を中国語の語順で読むことを「漢文直読」と言うが、平安中期くらいまでは儒学では直読だったという説もある。一方半谷芳文『勅撰三漢詩集の研究』では平安初期においてすでに日本語の語順=訓読が大勢だったとあります。