今週の「光る君へ」に藤原為時が花山天皇に漢詩を教えるシーンがある。そこで為時が中国語で音読しているのは一体何か。はっきり言って発音から何を話しているかさっぱり分からず、こういうときは集合知の力を借りるということでXのハッシュタグを流してみると、いるんですね。さすがです。
twitter.com/kysn/status/176424

字幕の力を借りれば良かったのか!

この方が早速特定しているように、これは為時作の漢詩で『本朝麗藻』に収録されているようです。

漢文文献についてはネットにフリーのファイルが落ちていないのですが、目加田さくを氏「源氏物語論」という論文に引用されているのがヒットしました。
google.com/url?sa=t&rct=j&q=&e

仲尼昔夢周公
聖智莫言時代過…

こうしてみると現代中国語で演じていた模様。「莫言」のところモウヤンって何だろうと思っていたが、現代中国語のピンイン"moyan"を発音していたのだと分かりました。「バクゲン」でいいのよ、当時の漢音に措定して読むならば!

こうやって漢文を中国語の語順で読むことを「漢文直読」と言うが、平安中期くらいまでは儒学では直読だったという説もある。一方半谷芳文『勅撰三漢詩集の研究』では平安初期においてすでに日本語の語順=訓読が大勢だったとあります。

為時の詩だったのですね。

現代中国音で読むのは、セリフが現代語だから、仕方ないかな、と思ったことでした。

日本漢文のテキストは、「久遠の絆」で探すと、たくさんありますね。

miko.org/~uraki/kuon/furu/text

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全然知らないサイトでした。歴史がありそうなサイトですね…。そして出てました。ありがとうございます。

117 和高禮部再夢唐故白大保之作 一首
 兩地聞名追慕多 遺文何日不謳歌 繫情長望遐方月 入夢終踰萬里波
 露膽雖隨天曉隔 風姿未與影圖訛 仲尼昔夢周公久 聖智莫言時代過
 風姿云云:我朝仰慕居易風跡者,多圖尋風,故云。

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