amiさん @ami.yoshieohkubo は学生の頃からの友人で、ぬいぐるみや人形を作る作家だ。彼女の生み出すものはどれも長く愛されて大切にされてきたもののように見える。実際には出来立てホヤホヤの新作だったとしても。
amiさんが結婚したとき義両親は既に鬼籍に入られていた。お義母様は洋裁や手芸の大好きな人だったといい、結婚して暮らし始めた家にはたくさんの素材や作品が遺されていた。刺繍糸、布、毛糸…彼女はそれを捨てることなく、自分の作品に取り込み新しい命を与えた。もう二十年は経つだろうか、今も遺されたものはamiさんの手で大切に扱われている。
「この刺繍の額はお義母さんの作品なの。きれいだから持ってきて飾りました。初めての母との共演。」
人は皆いつかは去るけれど、美しい奇跡は必ずあって、その痕跡を拾い集めて次へと繋げてくれる誰かがいるのかもしれない。この世では出会うことのなかった二人の女の人の指先から生まれた美しいものがふたつ、十一月の光の中に並んでいた。
amiさんの展示は11月25日まで。
三鷹 Janus Creation @janus_creation