一度だけ、なかにし礼さんに取材をさせていただいたことがある。ちょうど「赤い月」を出された時だった。「私たち子供を生きて日本に連れて帰る。そのためには自分自身が生きなくてはいけない。母の恋は自分を生かす炎を燃やすためのものだったと思うのです」と、もう二十年も前のことだから正確には思い出せないのだけど、あの穏やかな笑顔で語ってくださった。そんな風に自分の母親の恋を語れる卓越した眼と客観性、強さ、そして壮絶なほどの優しさに鳥肌が立ったことを今も覚えている。素敵な方でした。
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