陳柔縉『高雄港の娘』(田中美帆訳/春秋社アジア文芸ライブラリー) 、とてもいい。
詳しくは書評に書くつもりですが、人間くさくキャラが立った魅力的な登場人物たちと、せりふの掛け合いが特にいい。
台湾語のせりふには“訳者が高校卒業まで育った愛媛南予方言を採用した”(P.353)そうです。
ノンフィクションライターだった著者の小説デビュー作かつ遺作だそうです。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393455098.html
少し、黒柳徹子の『窓ぎわのトットちゃん』や、J.G.バラードの『人生の奇跡 J・G・バラード自伝』(『太陽の帝国』の元にもなった体験談)を思い出しました。大戦中にもかかわらず明るさ、自由さ、美しさがある子ども時代。