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今日はドゥブラヴカ・ウグレシッチ『きつね』)奥彩子訳、白水社)を買いました。9月末に出たばかり。以下、内容紹介より引用。
“実在する文学作品や作家のみならず、存在しない文学作品や作家をめぐって縦横に展開するその語りのなかで、さまざまな周縁的存在の声が回復されていく。文学が物語を伝播する媒体なのだしたら、人間の生もまた「物語」というウィルスに冒されたテクストなのかもしれない。”
hakusuisha.co.jp/smp/book/b631

ユーゴスラヴィア生まれのクロアチア語作家の遺作で、オートフィクション(作者が作者として語る小説)です。批評的エッセイとして読めます。
ウグレシッチはロシアン・アヴァンギャルドの研究者で、代表的作家ボリス・ピリニャークでかつて修士論文を書きました。ピリニャークは『われら』で知られるザミャーチンの親友で、20世紀初頭に2回も来日したせいでスパイとして銃殺されたそうです。
そのピリニャークの小品には、日本人男性タガキと結婚したロシア人女性ソフィアが、ロシア語話者を介し、自分が彼にずっと克明に小説の中で描写されていたと知ってしまい、一人帰国するという話があるそうですが……。

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