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虎に翼、良すぎる~~~。大好き。1話冒頭、戦後の川辺で日本国憲法第14条の「差別されない」を読み上げきるまでセリフらしいセリフがないスタートを切る。めちゃくちゃ「これ」をやりますという強い意志で冒頭から泣いてしまった。OPもすっごいいいですね。旧民法に女は無能力者と定められていたり、優秀な男と肩を並べられないと面と向かって侮辱されたり、女の頭がよすぎちゃダメ!と繰り返したり、身悶えする価値観のオンパレードで感情が疲弊しちまうよ。演出のコミカルさで見られるけども。そのためのコミカルさだろうけども。花江さんが寅の兄貴を結婚相手に選んだ理由がおそらく「女を怒鳴りつけなかった」からなんですよね…。直後したたか音頭が始まるから(あのBGMカッコイイ)やっぱりコミカルさに回収されていくんだけど、「女を怒鳴らない男」なんて条件の下限じゃない…?と思うとウオーッてなる。
花江さんの披露宴で「親友の幸せは願えても、ここに自分の幸せがあるとはとうてい思えない」のナレーションから寅の内心の怒りが吐露され、あわせてお道化ていた寅の表情が苦しく歪む・でも親友の晴れの舞台を台無しにできないと辛抱するところ、すごい演技としても映像としてもよかったっすわ……

当時において「女の幸せ」のために結婚することも、男社会に分け入って行くことも共に地獄と呼ぶ作品、その潔さが好きだよ。そして行きたい「地獄」への道が開けた寅が、橋上から川を見下ろすシーンで第1週を閉じつつ、同じ橋の上に同じ方向に顔を向ける様々な女性たちを立たせているのが素敵すぎたね…!
その女性たちも1話で花江さんに結婚がいいものとは思われないと話していた時に通りがかった人々の再登場で、見下ろすのは川下。ゆく川の流れは絶えずしてしかももとの水にはあらずってなもんで、そこから15年後にあたる1話冒頭、第14条から始まる川辺に寄せていた笹船は、彼女たちがたどり着いた将来だった。

寅と同じ方向を見る様々な人生を想起させる様々な恰好の女性達は作中における個人名がない。俳優の名前もクレジットされているか不明なレベルの「端役」に「主人公」と同じ場所・同じ行動を与える(OPで様々な女性達が同じダンスに参加しているように)のは、歴史に名前を奪われてきた/でも実在した人々の再現って感じでよかった

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