死ぬ時に思い浮かべるのは、こんな風景だと思う。若い頃見た、自分が死ぬ日の夢はこんな日。肌に心地良い微風青い空に浮かぶ雲。大きな抱擁に身体が溶けていけるような日。「無私」の境地。若い時は、風にそよぐ木々を見て、敗北感を感じたけれど、きっと死期が訪れたら、抱擁されているように感じるという確信がある。
夢の中では、部屋の中に戻り、「もう目を覚ますことはないだろうな」と思いながら、レースのカーテン越しに暖かく優しい陽を感じながら、昼寝をする高齢の私がいた。
とっても利己的だけど、気象変動のせいで夢のような死に方出来なくなるのではないか、って心配してます。青空と木々や囀る鳥たちがいなくなったら、生きることも死ぬことも出来なくなる。