個々の戦略によって決めるという方向性で理想的な選挙制度を作るなら、それぞれの選挙民はスマホから投票し、得票数は時々刻々と反映される上に、自分の投票先も投票終了の時刻まで自由に変えられるようにするのが良いということになりそうだけど、そういう未来を想像しても、僕は望ましい制度とは思えないんだけどなぁ。
結局の所、選挙は常に少数派を切り捨てていくところがあるので、理想的には、当選者数ではあるけど、それが無理でも、やはり少数派の存在が顕在化することも重要では無いのかなぁ。
当然、現状を見れば、そのようなことを当選者は気にしないし、何の意味も無いと言うのは分かるのだけど、それは、選挙制度を変えることで解決すべき事では無いかと思う。
例えば、選挙民の過半数の意見を反映する候補者がいれば、その候補者にとって、少数派の意見を取り入れることは得票数を減らすことにつながりこそすれ、得は無い。よって、一度、絶対的な多数派になると、往々にして思想的に先鋭化しがちという問題点がある。
一方で、確率選挙であれば、60%の得票数を得たとしても、当選する確率は6割で半々よりちょっと良いに過ぎない。少しでも当選確率を上げるには、より多くの選挙民から支持を受ける必要がある。また、90%くらいの得票数を得ているのでも無い限り、確実に当選するとは言えないわけで、癒着・馴れ合いは生じにくくなるし、実力もないのに何代にも渡って議員を務める家系のような不自然なことが起きる可能性も限りなく小さくなるのでは無いかと思う。
選挙の戦略という意味で言えば、同じ考えの候補者が複数出ると票が割れて、当選できなくなるために選挙協力するというような話があるが、確率選挙であれば、組もうが組むまいが、本当に同じ考えであれば、どちらかが、それに応じて当選する。
実は、他にも、多くの選挙における戦略や矛盾というものが無効化されるのだよね。