補足:
「自分にできる範囲」は、かなり大事な考え方だと思っています。
カントの用語で「不完全義務」という言葉があります。必ず果たすべき「完全義務」と対になる言葉で、「なるべく果たした方がいい義務」です。
私たちは、必ず果たすべき義務(法や契約)だけでなく、できれば果たした方がいい義務(不完全義務)も背負っています。
相談した方は、世界の理不尽を思い考えた。回答者の野沢氏は「考えるな」とアドバイスした。相談者は不完全義務を果たそうとし、回答者の野沢氏は「不完全義務だから果たさなくてもいい」と言った訳です。
私の意見では、野沢氏の回答をあえて好意的に読むなら、仕事でストレスを抱える人に「仕事を休もう」とアドバイスするようなものでしょう。ただし、「戦場に行ってみれば?」とストレスを増すような煽りの物言いをしたのは良くありません。そして、アドバイスの後に「休んで元気になったら、社会問題に取り組めるよう復帰を試みましょう」と言い添えるのが良かったと思います。
補足2:
野沢某の回答の中で、トランプの反移民政策を擁護したのは、相談内容を虚無的・冷笑的に打ち消す内容でサイテー。まず傾聴せよ。
党派制とは関係なく、普遍的な人権は守られなければならない。
人権問題を冷笑したり、「どっちもどっち論」で片付ける論法を目にしたら、そこには「アンチ人権」という強い党派制があると考えるのが妥当。それはファシズムの入り口。