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朝日新聞の人生相談「世界の理不尽に我慢できない」に、三牧聖子氏がコメントを寄せている。とても良いコメントなので、一読をおすすめ。

5/20 13:29まで閲覧可能「世界の理不尽に我慢できない」
digital.asahi.com/articles/DA3

" 野沢氏の回答は、アカデミー国際長編映画賞を受賞し、来週日本でも公開される映画「関心領域」に通じるものだと感じる。アウシュビッツ収容所の隣に住んだ同収容所の所長ルドルフ・ヘスとその家族を題材にした映画だ。ヘス一家の「平穏」な生活は、すぐそばで行われているユダヤ人の大量虐殺を「関心領域」の外に置くことで成り立っていた。"

感想:
野沢氏による当初の回答は「社会問題に関心をもったり怒ったりしないで、身の回りの事だけに関心を持ってポジティブに生きていきましょう」といったものだった。

これは故意の無知の誤謬を拡大させようという話ですね。

複雑な問題はみなつながっている。自分にできる範囲で問題を思い考えることは、私たちの義務。

補足:
「自分にできる範囲」は、かなり大事な考え方だと思っています。

カントの用語で「不完全義務」という言葉があります。必ず果たすべき「完全義務」と対になる言葉で、「なるべく果たした方がいい義務」です。

私たちは、必ず果たすべき義務(法や契約)だけでなく、できれば果たした方がいい義務(不完全義務)も背負っています。

相談した方は、世界の理不尽を思い考えた。回答者の野沢氏は「考えるな」とアドバイスした。相談者は不完全義務を果たそうとし、回答者の野沢氏は「不完全義務だから果たさなくてもいい」と言った訳です。

私の意見では、野沢氏の回答をあえて好意的に読むなら、仕事でストレスを抱える人に「仕事を休もう」とアドバイスするようなものでしょう。ただし、「戦場に行ってみれば?」とストレスを増すような煽りの物言いをしたのは良くありません。そして、アドバイスの後に「休んで元気になったら、社会問題に取り組めるよう復帰を試みましょう」と言い添えるのが良かったと思います。

補足2:
野沢某の回答の中で、トランプの反移民政策を擁護したのは、相談内容を虚無的・冷笑的に打ち消す内容でサイテー。まず傾聴せよ。

党派制とは関係なく、普遍的な人権は守られなければならない。

人権問題を冷笑したり、「どっちもどっち論」で片付ける論法を目にしたら、そこには「アンチ人権」という強い党派制があると考えるのが妥当。それはファシズムの入り口。

野沢直子の「回答」は回答じゃなくて反論だ。あんな「回答」で悩みが解決するはずがないのになんで載せたんだろう?
一度回答を依頼したら没にはできないってことか?

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