ふと目にとまったニュース。中東のクリプト(暗号通貨)ライターが書いた記事。
アラブ首長国連邦(UAE)が石油取引において大胆にも米ドルから脱却したことで、世界の金融情勢に激震が走っている。新たな石油取引において米ドルよりも自国通貨を優先する。この戦略的転換は、UAEが最近加わったBRICS経済同盟の広範な野心に沿ったものだ。
感想:
貿易基軸通貨として米ドルを使うことは、米国の金融システムの支配下に入ること——そして制裁を受けるとロシアのように金融システムから排除される——ことを意味する。ドル経済圏から抜けるデメリットより、独立のメリットを取った形。
https://www.cryptopolitan.com/uae-stops-using-dollar-for-oil-trades/
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@Rano_Zy 一ついえることは、ブロック経済化はすでに始まっています。
アメリカはトランプ政権時代から、中国をサプライチェーンから「アンバンドル」する動きを進めています。例えば最先端半導体の対中禁輸措置を取っています。
一方、BRICSは、元々のブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカに加えて、この8月にアルゼンチン、エジプト、イラン、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)が加入。
中国は、自前の貿易経済圏を構築したい考えをもともと持っていました。
またロシアは、ウクライナ戦争への金融制裁により、すでにドル経済圏から離脱しつつあります。
今回のUAEに続いて、イスラエルのガザ戦争はUAE以外のアラブ諸国に対してドル経済圏脱出の口実を提供することになるかもしれません。
今後、世界の多極化は否応なしに進むと思われます。
@AkioHoshi 詳細なご返信ありがとうございます。
お話を拝読して両陣営の対立軸が気になりました。対立軸とは例えば、民主主義、民族主義、家父長制、同性愛受容などです。それらの価値観が複雑に入り乱れていて、かつての東西冷戦のように欧米が善でBRICsが悪という単純な構図が成立し難い。今回のパレスチナ紛争も象徴的です。
複雑化かつ多極化した陣営のどちらを各国が選択するのか。資源争奪戦の激化とあわせて、波乱の時代が到来する予感を覚えています。
@AkioHoshi 中国の中央銀行が純金を買い増していることも気になっています。BRICsが欧米諸国とは異なる経済圏を確立させれば、かつての東西冷戦に似た対立構造が復活するように思えてしまいます。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-07/RZ0HVQT0AFB601