私はもともとITジャーナリストでして「ITと人権」に特に関心を持っています。一方で、SNSでは人権問題全般に言及しています。人権問題はすべて「つながって」いるからです。
(私はキリスト者ではありませんが)「複雑な問題はすべてつながっています」というローマ教皇フランシスコの言葉には深く頷きました。
人権問題はすべて「つながって」います。「世界人権宣言」は「すべての人(all human being)の権利」に関する文書であり、その原則は「誰ひとり取り残さない」というSDGsのスローガンに反映されています。
だれか1人の——SNSで誹謗中傷された個人であれ、顔認識のミスで逮捕されたデトロイトの黒人女性であれ、AIのミスで給付金を返上し生活が困窮したオランダ在住移民であれ、日本の入管に収容されて亡くなった外国人の方々であれ、ガザ地区に閉じ込められたパレスチナ人であれ——人権が損なわれているなら、それはすべての人々の問題なのです。
専門家として振る舞うなら、私もITの話だけしていた方がいいのかもしれません。しかし、人権というイシューを掲げる以上、他の人権問題に無知、無関心でいることは何か違うんじゃないか、と思っています。もちろん、すべての問題を1人が把握するのは無理です。できる範囲で、できる事を。