私と名探偵コナン そして赤安
私は安室透が好きではなかった。
私と名探偵コナンの出会いは私が6歳の時、江戸川コナンと同い年であった。
江戸川コナンはかっこよく、頭のいい男で、私にとっては彼の発言は地の文であった。彼は常に自信満々で、それらは全て正しく、彼のそのような態度が崩れないことが好きだった。
彼が間違っていた場合、彼の態度が崩れるであろう場面が、赤井と安室に関して2つあった。ひとつは来葉峠での赤井秀一の死である。
もしも赤井秀一が来葉峠で死亡するなら、そこでのコナンの作戦は失敗であると言える。来葉峠で撃たれるまでの会話、態度、撃たれた後、焼死体発見の後、江戸川コナンの発言・態度は全て赤井秀一の死を否定していた。
もしも赤井秀一が本当に死亡していたら、私はそこで名探偵コナンを読むのをやめていただろう。それは赤井秀一が好きだからではなく、江戸川コナンが失敗し、負けたからである。
もうひとつが、安室透がバーボンだった場合、である。
安室透と出会い、江戸川コナンは安室透を怪しみ、実際黒の組織の幹部バーボンであったにも関わらず、彼は安室透に毛利探偵事務所およびポアロへの侵入を許してしまったのである。
敵であるバーボンが江戸川コナンのテリトリーに入ってしまうことは、私にとっては彼の敗北に他ならなかった。
私と名探偵コナン そして赤安3
そして時はすぎ、2016年、純黒の悪夢の上映。
それまでの映画は全て見ていたし、純黒も見るつもりではあった。
先に赤安にハマって友人と見に行き、なるほど、これは赤安増えるだろうなと思った。pixivなどでカプ名検索などしてしまった。
そして原作、裏切りのステージ。
当初は「落ち着いた大人の赤井秀一に事実を誤解した安室がつっかかる」というような作品が多かったように思う。
しかし裏切りのステージを経て、熟考し、気付く。
「あれ?これ安室透は誤解に対して何も非はないし、悪いのは嘘をついている赤井秀一ではないか?」と。
そこから先はもうダメだった。えっ???赤井秀一なんで嘘ついた????えっえっこれ、なんで????
好きだからしかないじゃん、えっ、そんな、これ、えっ、赤安じゃん…
私と名探偵コナン そして赤安ラスト
そこからはもう早かった。赤安運命カプじゃん無理…と思いつつpixivで赤安を検索する日々。その時から誇張なく毎日「赤安」で検索している。
そして私はまた名探偵コナンを好きになれた。
安室透がただのバーボンであったら、コナンの負けは敵への敗北で終わっていた。
しかし、安室透は、降谷零という誇り高き警察官であった。そのことが、江戸川コナンの敗北に対する思いを消化してくれた。江戸川コナンより有能な人間がいてもいいやと思えたのもこの時である。
だから私は降谷零が推しなのである。私を名探偵コナンから離れさせ、そして、また大好きにさせてくれたキャラクターだから。
そこから6年間、もう7年目になるが、ずっと幸せな毎日を過ごせています。
ありがとう、降谷零。大好きです。