こういうことを書くのはもしかすると不謹慎なことなのかもしれないけど、
今、ふと思ったのだけど、
分かりやすく少し極端な例で言えば、
例えば、子どもが幼い頃に、散々暴力を振るい、人格を否定して、下手すりゃ性虐待もして、暴虐の限りを尽くして、子の心を傷めつけて、その後の人生をも台無しにした父親(または母親)がいたとして、
その父親を恨んで、「いつか自分の受けた苦しみを分からせてやる」と思って、そのことで頭をいっぱいにして子が育ったにも関わらず、
気づいた時にはそのかつての「暴君」だった父親が、いつの間にか年老いて、小さくなって、ちょっと突っついたら倒れて骨折して、下手すりゃ死んでしまいそうな、弱々しいただのそこらにいる薄汚れた老人になっていて、
頭もかなりボケかかっていて、元々だったのか、ボケたせいなのか、子の側の言葉も伝わらない。
子は、自分が受けた苦しみに対する怒りのやり場を失ってしまう…みたいなことは、割と普通に起きることだと思うのだけど(私は年がら年中そんな話を聴いているわけだけど)、
そんなことを、今の「老いさらばえて凋落し続ける日本」という国のことを思っていたら、ふと連想した。
加害者って、最後はそうやって逃げ切るものなんじゃないか。