オーウェルといえば、私の昔の同僚で若き(私よりはひとまわり以上若いけど、普通に考えたら決して若いわけではないけど)リアル知人の男性が何かの折にオーウェルの話になったら、とてもよく(私よりよほど)読み込んでいるらしく驚いたことがある。
と言うのも、一緒に働いていた時、彼は正直かなり頼りなく(ごめん)、…と言うかちょっと精神が半分崩壊したようなキャラで、あんまりものを考えているようにも見えてなかったので(ごめん)。
だけど、複雑な事情を抱えて反社的な問題行動のとても多いある青年利用者が、誰よりも彼のことを慕っていて、近くにいては利用者の方から話しかけたりしていて、多分彼の誰もジャッジしない(私から見たら心許ない)ある種の「弱さ」に、その利用者が「安心できる」と感じていたからだとは当時も私は思っていた。
私がその職場を離れて10年以上経った頃、その利用者の青年は自ら命を経った。
その時にはその知人もすでにその職場を去っていたけれど、彼は正職員だったし(私はパートだった)在籍も長かったからかその死の報は彼にも伝わり、知人は、私が在籍中にその利用者のことを気にかけていたことを思い出して、私にも連絡をくれた。
オーウェルというとその知人を思い出す。彼もちょっと複雑な家庭環境の中で育っていた。