この現実のdystopiaから目を背けたところで、そこに見えるUtopiaはただの幻だよ、悪いけど。
それは、それ自体が、かなり重篤な狂気…心の病ですよ。
現実否認という重篤な病理。
私の目には、実は日本ではその病が三、四十年前から国中に蔓延っていて(私ももちろん感染していて)、その結果が今のようにも感じられるんですよね。
なんか国中が経済的発展という甘い夢を与えられて、現実から遊離した竜宮城に微睡んでいて、その実、その中で放置され続けた絶望が国全体を蝕んでいたことの結果が今なんじゃないかと。
だから、またあの表面的な満足感と引き換えに与えられ続けた、飼い慣らされた無力感に、もうこれ以上、私たちは魂を侵されてはいけないという警報が、私の中では鳴り響き続けている。