何が「ライドシェア」だ?白タクと正しく呼べ!「ドライバー不足に悲鳴」上げてるのは誰だよ?そんなことしたら、「ドライバーが悲鳴」を上げるだろ?
“ドライバー不足に悲鳴”自民・菅氏「ライドシェア」国内解禁へ党内議論を進める考え https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000312190.html?display=full
(全自交労連さんのツイート↓)
最近「ライドシェアさえ解禁すれば地域の交通問題は解決する」なんて暴論があちこちで聞かれますが、大間違いです。7月30日、東京の立川市で開催された交通の安全と労働を考える市民会議の議論も踏まえ、改めてライドシェアの何が問題なのか投稿していきます。
https://x.com/zenjiko_roren/status/1691638030808080473?s=46&t=7ijHXvOVYdXMvERcNmfP7w
(続き)
ライドシェアのここが駄目①「危ない」
【1】輸送回数 日本タク=約5.6億回 米ライドシェア企業=約6.5億回【2】交通事故死者数 日本タク16人 米ライドシェア企業42人【3】身体的暴行による死者数 日本タク0人、米ライドシェア11人【4】性的暴行件数 日本タク19件、米ライドシェア998件!
日本のタクシーとアメリカの主要ライドシェア企業との比較(2020年のデータ)。これは国会で政府が答弁したデータです。
ソース kokkai.ndl.go.jp/txt/121104319X…
第211回通常国会 衆議院国土交通委員会 2023年3月22日
(続き)
よく「ライドシェアは相互評価だからタクシーより安心」っていう人がいますが、事実ではありません。アメリカのテレビでは「ライドシェアに乗ってトラブルに会った人は是非、わが社に」という法律事務所のCMがたくさん流れているそうです。ドライバーの身元照会がずさんなためです。
公共交通を担うプロの職業ドライバーと、バイト感覚の素人ドライバーでは技術も心構えも背負う責任の重さも違います。今度触れますが、その相互評価のアルゴリズムもブラックボックスで全く透明性がないんです。
そして、日本のタクシーには世界のタクシーの中でも、トップレベルの安全性と品質がありますが、それは会社にドライバーの体調を含めた運行管理、車両管理、保険加入などが法律で厳格に義務付けられているから。ライドシェアに同じことはできません。
いま日本でコロナの影響が薄れ、インバウンドが急増し「タクシーがつかまりにくい」という利用者の声が高まっていることは、タクシー業界の労使として真摯に受け止めて対応しなければなりません。でもその解決策はライドシェア解禁じゃない。
(続き)
タクシードライバーの低賃金を改善し、公共交通を支える労働の価値に相応しいだけの賃金を確保することこそ最優先。そしてタクシーを進化させていくことが必要です。浅い考えでライドシェアを導入すれば、どんな弊害が起きるのか、投稿していきたいと思います。
ライドシェアのここが駄目②「低所得化の負のスパイラル」
ライドシェア運転者は、個人事業主で社会保険も最低賃金も関係なし▽ガソリン代も保険も運転者の自腹▽海外の実例で、10年前は手数料20%⇒最近では売り上げの50、60%が手数料として引かれる。
https://x.com/zenjiko_roren/status/1691963360747962498?s=46&t=7ijHXvOVYdXMvERcNmfP7w
こんな条件で働かされるのもイヤだし、こんな条件で働いてる人に命を預けるのもイヤでしょ。プラットフォーマーが手数料を上げてきても、労使交渉もできないんですよ。「個人事業主で労働者じゃないから」って。
どの国も最初だけはライドシェアドライバーの収入は良い。でもすぐに搾取されるだけの存在になります。例えば、2014年ニューヨークでタクシーからウーバードライバーに転身した人はこう語りました。
(続き)
最初の1年は週に1500~2000ドル稼げたが、2年目からウーバー側の運賃値下げや手数料値上げ、ドライバーの増加によって収入が激減。2年間で最終的に運賃は35%引き下げられた。またウーバーは売上税をドライバーに払う金から違法に控除していた。
インドでは2015年の収入が2018年には4分の1になりました。日本のUberEatsも同じでしたよね
アメリカには約90万人のウーバーのドライバーがいるそうですが、毎月5万人ほどが入れ替わるそうです。それだけ定着率が低い。ちなみに日本のタクシー乗務員の平均勤続年数は10.8年。全自交組合員に限れば12.8年になります。
そもそも既得権益なんて攻撃されるけど、日本のタクシー乗務員の収入は低すぎるんです。年収は全産業平均と比べて135万円低く、男性の全産業平均と比べれば191万円安い。これのどこが既得権益なのか。
この現状でライドシェアが解禁されたらどうなるか。タクシーの運転者の賃金もライドシェアの運転者の賃金もドンドン下がる。時間当たりの収入が下がれば、働く時間を長くするしかありません。低賃金・過労・睡眠不足で運転する人の車にあなたは命を預けることができますか。
(続き)
実際に、ライドシェアの導入により、生活苦となって自殺したタクシードライバーはニューヨークで8人、台湾で12人、オーストラリアで4人、世界中で相次いでいます。人の移動する権利を守るタクシードライバーの仕事の価値はそんなに安いものなのでしょうか。
世界中でタクシーの台数と運賃には国の規制がかかっています。無制限に台数を増やし、市場原理だけの価格競争を導入すれば、過当競争を招いて、運転者の健康や利用者の命、交通の安全が損なわれることがわかっているからです。ライドシェアで車を増やせばいいというのは短絡的すぎます。
ライドシェアのここが駄目③「ブラックボックス」 ライドシェアの問題点の一つに透明性のなさがあります。UberやLyftなどのプラットフォーマーは運賃や報酬を決めるアルゴリズムをブラックボックスにしており、公平性・透明性が担保されません。
https://x.com/zenjiko_roren/status/1692366935478956356?s=46&t=7ijHXvOVYdXMvERcNmfP7w
また、同じ時間に同じ出発地から同じ目的地まで利用しても、よく使う客と初めての客で運賃が違う(初めての客に安くする)ことも。天気や需要で運賃を変動させるだけでなく、個人情報まで紐づけて運賃を決めるダイナミックプライシングを行っているようですが、詳細は非公開。
ゲーム感覚で仕事をするドライバーは安全よりもノルマ達成を優先に。これって、日本のUberEatsでも「クエスト」って言って問題になりましたよね。自転車でも一部の乱暴運転が問題になってるのに、それを車でされたらって想像するだけで怖くないですか。
ちなみに日本のタクシーの場合は売り上げが上げるほど歩合率が高まる「累進歩合」という賃金体系は厚生労働省から禁止されています。