多分、皆、ちょっとでも自分が役にたつ人間だと思われたい、自分でも思いたい、そうすることで、自分は存在価値があるんだと確認したい、…ってなってて、とにかく、ぼんやりしている時間を惜しんで、よく働いているのよ。
どこを目指しているのかも、考えている暇もなく。
だけど、そんなに必死で皆して働いていても、どこに向かっているのか、考えてなかったら、やっぱりちょっとまずいんじゃないですかね。
私は子どもの頃、物心ついてからずっと母親に「アンタは役に立たない」「アンタは役に立たない」って言われ続けて育ったんですよ。
酷い話ですよね。
ただ、彼女は同時に、「そこがアンタの良いところだ」とも言っていてですね。
「アンタみたいな人間は生きている間は何にも役に立たなくて足手纏いだと思われているけど、死んでから初めて皆の心にポッカリ穴が開くんだよ」と、そんなことを面と向かって私は言われたこともある。
死んでから存在価値がわかるって、自分の年端も行かぬ子どもに向かって言うって、本当にどうかと思うけど(マジで酷い話ですよね)、ただ、そのせいで(お陰で?)、私は役に立とうとして努力する傾向が多分他人よりも薄い。
そして、確かに子どもの頃からいつもボーッと無為に過ごすのが好きで、結局、この分では一生そうなりそうです。