例えば自己愛が傷つきやすい人が親の場合、子どもが親を嫌ったり疎ましく思ったり反抗したりしようとすると、親の方が自分の価値がなくなってしまうように感じて傷ついてしまうし、下手したら傷つくのを恐れて愛情を子どもから撤退したくなって、子どもに対していきなり突き放したり、関心がなくなってしまったりする。
それだと、子どもは健康な親からの自立が難しくなる。子どもに価値下げされたり、疎んじられたり、嫌われたりするのは、親の役回りのひとつなんだけど、それが出来なくなってしまう。自他の分離を体験するのを親の方が恐れてしまうから。
または親の方だって、いつでもべったり子どもが可愛くて可愛くて、それ以外の感情を持てないってなると、親も子どもから心を離すのが難しくなる。子どもも自分と違う自己主張のある人間であることを普通に感じられていれば、親の方も子どもが邪魔に感じたり、面倒になったり、ムカついたり、とても憎ったらしく感じたりするのは当たり前のこと。
だからと言って、それで興味を完全に撤収したり、大切に思う気持ちがなくなっちゃったりはしないけど、時には「誰?この子」って思うのが自然なんじゃないのかな、自分とは別の人なんだから。
「良いもの」でも、勝手にあんまり投影しすぎるのは迷惑だったりする。…これは私の実体験。