【12/28】コナン・ドイルの心霊学 スピリットは“姓名”が苦手 https://akito-takizawa.com/2024/12/28/the-new-revelation241228/
持って回った言い方が多いのである。たとえば“St.Paul”(聖パウロ)という概念をふたりの自動書記霊媒を通して伝えた実験がSPRの資料に残っている。通信霊はホジソン博士ということになっていて、ふたりの霊媒は互いに遠く離れていて、ひとりは英国、ひとりはインドにいた。人間の常識的判断ではふたりとも簡単に“St.Paul”という単語を綴りそうに思うのであるが、それがそうは行かないのである。ふたりとも聖パウロに関連した事柄をあれこれと述べ、バイブルにあるパウロの書簡から5つの文章を引用している。
作為や偶然性を超越しているという点からみれば見事な出来であるが、ズバリ“St.Paul”と書かずに回りくどく説明するところを見ると、人間が想像するほど簡単に行かない事情があるのかも知れない。
冗談めいた譬えになるが、全知全能の天使がいて、「人間にラクをさせてはならぬ。少しは脳味噌を使わせるようにするがよい。何もかもやってやると、ただのロボットになってしまうのでな」とでも言っている図を想像すれば片づくのであるが、実際はどういう事情になっているのであろうか。とにかく極めて顕著な事実であることは間違いない。