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【5/24】霊界通信 ベールの彼方の生活 3巻 「天界の政庁」篇 4 悪の効用 akito-takizawa.com/2024/05/24/
その熱風は主として今吾々が近づきつつある鉱山の地下道から吹き上げていた。家屋は鉱山で働く奴隷労働者が永い労働のあとほんのわずかの間だけ休息を取るためのものだった。それを後にしてさらに行くと、まもなく地下深く続く坑道の大きな入口に来た。

が、近づいた吾々は思わず後ずさりした。猛烈な悪臭を含んだ熱風が吹き出ていたからである。吾々はいったんそれを避けてエネルギーを補充しなければならなかった。それが済むと、心を無情にして中に入り、キャプテンの後に付いて坑道を下りて行った。

彼は今は黙したままで、精神的に圧迫を感じているのが分かる。それは、そうでなくても前屈みになる下り道でなおいっそう肩をすぼめている様子から窺(うかが)えた。そこで私が声を掛けてみた。振り向いて吾々を見上げたその顔は苦痛にゆがみ、青ざめていた。

「どうなされた?ひどく沈んでおられるが…この坑道の人口に近づいた頃から苦しそうな表情になりましたな」私がそう言うと彼はえらく神妙な調子で答えた。

「実は私もかつてはこの地獄のような灼熱の中でピッケルとシャベルを握って働かされた1人でして、その時の恐ろしさが今甦(よみが

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