【4/28】霊界通信 ベールの彼方の生活 3巻 「天界の政庁」篇 2 象徴(シンボル)の威力 – 十字を切る事の意味 https://akito-takizawa.com/2024/04/28/the-life-beyond-the-veil-vol-3-240428/
するとどうであろう、その手の辿った跡に微かに光輝を放つ1本の線が描かれているではないか。そこでまた力を振り絞り、用心深く今度はその垂直の線の真ん中よりやや上あたりに横棒を描こうとして手を上げるのであるが、またもや出来ない。私には彼の心が読めていた。
光明界への旅に彼が掲げ持つ旗の紋章として十字架を飾る事を群集に示そうとしていたのである。あまりの哀れさに私は進み出て、ついに彼の側に立った。そしてまだうっすらとではあるが目に見えている直線をなぞった。ゆっくりとなぞった。
するとさっと光輝が増して広場全体と群集の顔という顔を照らし出した。次に私は横棒を画いた。それも同じように光輝を放った。私はその光輝を避けて見えない所に身を隠した。ところがその直後に狂乱した声と泣き叫ぶ声が聞こえてきたので再び出てみた。
十字架はやや輝きを失っていたが、群集はある者は地面にひれ伏し、ある者はのた打ち回りながら顔を隠し、十字架のイメージを消そうと必死になっていた。嫌っているのではない。そこの群集は既に自分の罪に対して良心の呵責(かしゃく)を覚える段階にまで