おおざっぱに言って、ハーモニーが要求するのは純正律で、メロディーが要求するのは平均律なのだろうなあという気がしてきた

あとは移調・転調をハードウェア的に楽にやるという実利的メリット……。現実に平均律が普及したのはこれが一番大きいかもしれない。

メロディーにおいては前後文脈の相対的な (i.e. diachronic) 音程が気になるポイントで、ハーモニーにおいては同時に鳴る音のあいだの相対的な (i.e. synchronic) 音程が気になるポイントになる。たぶんメロディーにおいて倚音や刺繍音や経過音の絶対的な音程はあまり気にならない。いっぽうでドレミと移っていったときの音程がまばらだと気になるだろう (e.g. major tone, minor tone)。

「共時的音程に全振り」するのが純正律だが、ずっと白玉和音を奏でている音楽ならそうすべきであっても、タララランンというメロディアスなものにはそれほどの優位性がない可能性がある。主観ではあるけど。

そもそも平均律前提の音楽になってから(ジャズ、ロックなど)、スーッと和音をしばらく引き延ばして弾くような音楽は減っていて、和音を短時間ジャカジャカする(ピアノならばハンマーの噪音が多く、ギターもピッキングの音が多い)ことでその問題はなかば打ち消されている。

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それぞれを数秒間も引き延ばす合唱の和音と、おおかた一秒未満しかもアタックを噪音がカバーして音量も減衰していく楽器が弾く和音とのあいだで、音程の純正性の重要さは違って当然ではあるだろう。

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