言文スイッチ後の世界
「『いやあまだまだ寒いですね~、ほんっと、春はまだかよ!っていう、そんな季節もまだしばらくは続くっぽいけど、Aさん元気してたらいいな~、なんて思ったりしてまして。』
……で良いだろうか、意見をいただきたい」
「時候の挨拶として問題はなさそうに思われるが、Aさんの住まいの土地柄に言及するような形で、『いま寒波相当すごいですけどそっちは雪で困ってたりしてないですかね』などはどうだろうか」
「良い案だ、そのまま採用したい。……いやはや、やはり手紙は書き慣れず表現が難しい。かくも私には文章力というものが欠如していたとは、慚愧に堪えない」
「断じてそのようなことはないので、気に病む必要はない。先も述べたとおり、元の表現でも問題はない点は強調しておきたい」
「気づかいに感謝する。話すほうは得意だが、書くとなるとどうも苦手意識が抜けないものだ」