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たぶん被害を受けた当人でさえそれが暴力だったとは気付いていなかったかもしれないし、今でもまだ気付いていない子もいるかもしれない。

どうしてこんな問題だらけの事務所の所属タレントを好きでい続けているのかというと、いや理由なんてなくただ好きでいることしかできないんだけど、彼らはわたし(たち、とは言えない)が生き抜いてきた最悪な社会のなかでも、最悪を最悪で煮詰めたような閉鎖的な集団のなかで活動をしていて、そんな彼らに自分をどこかで重ねているってところは正直にいってある。

にもかかわらずひとたびステージに立てば日頃の苦労や屈託なんて感じさせずに今この瞬間を全力で楽しもう、楽しませようと駆け回る彼らのことが愛おしくてたまらないのは、もはやわたしのなかではどうしたって誤魔化しようのない、隠しようのない痛切な感情。彼らのことを大切に思っているからこそ事務所にはもっと社内の環境を整えてほしいと強く思ったり、その一方で凄絶な権力関係の発生するホモソーシャルな空間のなかでもがき苦しみこぼれ落ちそうになっている男の子のことや、そのなかで難なく生き抜いていける男の子のことを「可愛い」と思ってしまったりもする。

こんなに社会がおかしくなければ、わたしはジャニオタやってなかったかもしんない。アホくさいたらればだけど。

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