空気を読む。そんなものに時間はかけたくない。世の中に合わせるなんて、くだらないと大学時代思っていた。だから、就職しなかった。でも、実際にどう生きたら、いいか分からなかった。
インドに友達と二人で旅に行った。打ちのめされた。自分はまだまだ甘い。現実を知らないと思った。帰って来たら、病気の自分に気づいた。周囲に甘えで病気なんだと言われた。でも、周囲は母以外、精神科の病院に行くことをいさぎよしとしなかった。
結局、病状が悪化して、入院した。入院した当初、精神の病気になった自分自身が恥ずかしかった。でも、それは自分が精神の病気の人たちを差別していることがもとであることを看護師に指摘された。何も恥ずかしいことではないと。
病気の人たちとの交わりは私の固くなった心を解かしてくれた。精神障害者であることが私には何か自分自身であることを許してくれているかのようだった。何よりも自由がそこにはあった。
私が守りたいものは、この自由だ。自分自身でいられる自由だ。やはり空気を読むだのくだらぬことだと思う。世の中は変えなくてはいけない。迎合することが賢いことなら、私は、バカになる。