福田美蘭、常識にとらわれずまじめに物を考えすぎるがゆえに遊びごころやいたずらごころ、ときに悪意を出さずにはいられないんだろうな、というところと、そのスーパーパワーの使い方がときに危うい方向に行ってて見てるほうがはらはらするのと、それゆえに大衆(わたし)にわかりやすい楽しさを与えるんだなっていうのと。作品そのものからはそこまで感じないんだけど、本人の書いたと思われるキャプションからは「国」に対する考え方が無邪気すぎると感じるところもあった。
「絵」としてわたしが好きなのは写楽の大首絵を元に実際にそのとき画家の目に見えていた歌舞伎役者の姿を想像して描いたこれ。Tシャツがあれば買ったかも。 https://x.com/ncam_chunichi/status/1705009052596728078?s=20
あと、福田美蘭の作風では、グッズを作るのが難しいんだなというのが面白かった。たとえば、構図を考え抜いて描いた名画を別角度から描いた作品は、単なる絵として見たときにバランスの取れた美しいものではなくなる。元ネタを知らないひとにはその良さが伝わらない。結果、展覧会のメインビジュアルになるのが鰻重の松竹梅。