アリアン・シャフヴィシ『男はクズと言ったら性差別になるのか』
ここまでタイトルのことでモヤモヤするのは、正直、私は書店でこの本を見た時に「ミサンドリー的な内容では……?」と怯んだのが第一印象で、信頼できる著者/内容なのか不安に思ったから。
このタイトルのようなフレーズが出てくる場合、セクシュアル・マイノリティへの偏見をはじめ様々な差別言説を内包していることも実際に多いから、どうしても警戒してしまう。
知らない著者や書籍の場合は、訳者あとがきや帯や解説を書く専門家の言葉を見て「大丈夫な本」かどうかを判断しているけれど、本書はどちらも無かったので本屋の店頭で判断することがそもそも難しかったところに、この煽りタイトルだったから……。
結果、良い本だったけども。
社会学やフェミニズムの棚に置かれていても、社会の周縁にいる人々を無視して白人キャリアウーマンだけをエンパワーする『LEAN IN』的なホワイト・フェミニズムの本じゃないかどうか、それどころかフェミニズムの本のフリをしたヘイト本じゃないかどうか、読者側は買う際にマジでめちゃくちゃ警戒しているんですよ!
ということを、出版社には本当〜に知っていてもらいたい。