北村紗衣『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選』
圧倒的に男性中心的な場である映画界の価値観が反映された「名作リスト」ではなく、女性をはじめ自分は多数派に属していないと感じている人のための映画おすすめリスト。
私も子供の頃にいつも、女性が主人公の映画を観たくて雑誌やフリーペーパーで探しながらレンタル店へ通っていたことを思い出しました。
今ですら、女性やマイノリティの様々な側面や表象を描く物語で溢れているとは全然言えないし。こういう映画ガイドをもっと読みたいし、もっとたくさん必要。
今鑑賞したら引っ掛かる部分もあるのだろうけれど、これは中学や高校の時分に観ておけば良かったなあ……と思う作品がたくさん紹介されていました。
北村紗衣『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選』
本の中にちゃんと、トリガーアラートの記載がしっかりあることも良かった。
警告の選定基準やその趣旨とともに、「映画は自分のペースで、自身の発達段階や精神のコンディションに合わせて見るものだから、見たいものを見たいと思ったときに楽しんでください。ショッキングやダークなものも試してみたいというときはどんどん挑戦しましょう」という著者のメッセージがあることも嬉しい。とても大事なことだから。
北村紗衣『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選』
邦題のせいでスルーしていた昔の映画が、そんな内容だったの!?と本書で知って驚いたりも。
『ベッカムに恋して』がロンドンで暮らすインド系移民のヒロインがサッカーを志す話だなんて、今の今まで知らなかったよ。しかもパーミンダ・ナーグラ主演でアーチー・パンジャビも出てる!観れば良かった!
同じく原題の意味が消えてしまった残念邦題の『キューティ・ブロンド』は、昔観た時に、ヒロインのエルはもちろん他の女性たちもその関係もめっちゃ良くて好きな映画だった。
そして当時まだ、邦題や宣伝のダサピンク現象という問題を意識できていなかった子供の自分でも、このタイトルは嫌だなと思っていた。本当に日本の配給は考えてほしい……。
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