この数年間に読んだいろんな方のエッセイの中で、2022年に出た柚木麻子さんの『とりあえずお湯わかせ』が一番、本としての全体の構成に工夫がたくさんあって素晴らしいなと思ったエッセイ本でした。
2018年からの4年間の連載を本にするにあたって、ひと月ごとのエッセイの末尾に現在(2022年)の柚木さんによる一言ツッコミが加えられ、さらに1年ごとに編集後記として後日談エッセイまで書き下ろされている。まえがきとあとがきも、もちろん有る。
このスタイルで本を作るのはすごく大変なのだと思うけれど、読者としてはめちゃくちゃ楽しいし嬉しい。