昨日はつらい選挙結果が出たけれど、週末に読んでいたクリステン・R・ゴドシー『エブリデイ・ユートピア』に、「社会を覆う冷笑と無力感を、私たちは断固拒まなくてはいけません」という著者のメッセージがあり、私もちゃんと踏ん張ろうと思えました。

楽観論や自己啓発的なポジティブ思考としての「ユートピア」ではなく、未来を変えるためのラディカルな希望と実践を論じる本で、訳者の高橋璃子さんのあとがきも良かった。

「むしろ絶望的な状況のなかで要請され、閉塞を突き破る力となるのがユートピア思想であり実践です。
絶望の可能性に満ちた場所においてこそ、自分たちだけでなく未来の若い世代のために、私たちには希望を選び取る責任があるのだと思います。」

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『エブリデイ・ユートピア』
クリステン・R・ゴドシー/高橋璃子 訳

住まいや子育てや学校教育の役割をめぐる、過去2000年以上にわたるユートピア思想と実践の歴史を振り返りながら、今ある社会の規範に縛られない暮らしを目指す試みについて論じる本。
それは女性に家事や育児や介護などのケア労働を強いて、経済的自立を阻んできた社会構造を変革することに直結している。

「変化は危険だ」と言い立てるイデオロギーから、自分たちの手に政治的想像力を取り戻そう!という前向きなメッセージに溢れていました。

読みながら、私が求める生活スタイルは、社会が「普通」とみなしてきた文化的規範に実はめちゃくちゃ影響されているのだな……と気づきました。
ただ、この後天的好みを変えるのはなかなか難しいなあとも。でも、できることを少しずつ。

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