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作家や書評家など12人への「積ん読」インタビューを集めた、石井千湖『積ん読の本』が面白かったです。「積ん読」を煽るような内容ではなく、「本を読むこと」についての真剣な話が収められていたので安心した。
それぞれの個性的な本棚や思い出深い本など、たくさんの写真を見ながら読む、オールカラーの楽しい本でした。

「あなたにとっての積ん読とは?」
「なぜ人は積ん読してしまうのか?」
という問いかけを切り口として見えてくる、それぞれの本の読み方、本棚の構築や分類方法、本を読む上でその人が何を大切にしているのか、本を読んでいる時の自分に何が起こっているのか?等々、皆さん全く違う考え方やスタイルが分かる様々なお話を読めてすごく面白かった。

石井千湖『積ん読の本』

私も初読時の感覚がどうだったのかをできるだけ残しておきたいので、小川公代さんが「時間が経っても初読の感覚を取り戻せる」ように付箋の色ごとに意味を決めて貼る方法を全ての本に適用しているお話や、本の余白にメモを書き込みながら本を育てている山本貴光さんが「初読のときにしかできない要約がある」と話していたことが印象に残った。

それと電子書籍よりも紙の本派の池澤春菜さんが、その理由に「紙の本ならどこに何が書いてあるか頭に入っているから、後で引用したい部分もすぐ見つけられる」と話していたが、これはすごく分かる。
私も本を開いて文字を追っている状況丸ごとの映像記憶として本の中身を覚えているので、どこの記述かは紙の本でないと分からなくなる。

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