『破墓/パミョ』、観に行くタイミングが合わないのでパンフレットだけ購入。
崔盛旭さんが韓国の民間信仰である巫俗(ムソク)の用語解説や、都市伝説となった「鉄杭問題」など歴史的背景を読み解くコラムを書いていて、読みどころがたくさんあるパンフでした。
崔盛旭さんの映画コラムは『韓国映画から見る、激動の韓国近現代史 歴史のダイナミズム、その光と影』を今年読んだ。
『破墓/パミョ』のチャン・ジェヒョン監督の過去作『サバハ』も取り上げられていて、韓国に乱立するエセ宗教団体の深刻な問題についての解説があったはず。
作品が何を語り、何を語っていないのか、44作品の歴史や社会的背景を丁寧に解説する本で、韓国映画ファンの方にめちゃくちゃオススメです!
崔盛旭『韓国映画から見る、激動の韓国近現代史』
2022年の韓国大統領選挙の際に、『アシュラ』が再注目されていたことをこの本で知った。
選挙戦当時(文在寅政権時)、『アシュラ』に登場する悪徳市長のモデルは与党側の大統領候補イ・ジェミョンだ!と野党側が申し立てて大騒ぎになったそう。
イ・ジェミョンへ対する汚職の告発だったが、当該の不正疑惑の都市開発では、告発した野党の国会議員の息子に金が流れていたと発覚するという超特大ブーメランになった。
大統領選で『アシュラ』が再注目されそんな顛末を迎えていたことに驚いたが、この政経癒着に対して特に若者世代が怒りを爆発させたにもかかわらず、それでも当選したのは尹錫悦なので、保守政権が誕生したことが改めて辛くなった。
あらゆる意味で私に何か言う権利などないのだけれど、でもセウォル号事件後の韓国文学を読むたびに現政権のことを考えて辛くなる。