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降矢聡+吉田夏生 編『ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト』

発売を楽しみにしていた、女性たちと映画を巡るガイドブック。
私はChapter 2「彼女たちの映画史」とChapter 3「映画を広げる女性たち」での、鼎談やコラムやインタビュー等が特に面白かったです。

個人的に、様々なトピックで数多くの映画やキャラクターを紹介するChapter 1は、テーマもページ作りも多彩で見た目にも楽しい反面、女性のキャラクター表象における各種ステレオタイプや、「芸術」の追求として女性たちへ注がれてきた視線や撮り方、その暴力の歴史がまとめて可視化されてもいるので、改めて振り返ることになるのが凄くキツかった。
怒りが込み上げてくるし気持ち悪いしで、思いがけずズーーンときてしまった……

降矢聡+吉田夏生 編『ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト』

冒頭で、この本で取り上げている映画や内容がアメリカ・ヨーロッパがメインで白人の割合が高いという国や人種の偏りと、そうした不均衡が差別への加担ともなり得るという懸念に、制作側が自覚的であることがしっかり語られているのは良かった。
それと「女性映画」と銘打っているのは男女二元論に固執しているのではなく、映画史において「女性」がどのように描かれてきたか、また「女性」の作り手についての歴史を語るためであることも明言されています。

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