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在日本韓国YMCA編『交差するパレスチナ 新たな連帯のために』、すごく良い内容でした。

2008年からパレスチナ映画の上映会「オリーブ映画祭」を開催してきた在日本韓国YMCAが2021年〜2022年にオンラインで実施したティーチインをまとめた本で、自分が断片的に知っていた出来事や情報が整理され、とても勉強になりました。

アメリカの黒人解放闘争とパレスチナの連帯の歴史や、ガザや西岸地区の流通と移動を徹底的に管理することで生から価値を略奪し続けるイスラエルの占領のあり方、イスラエルが自国をLGBTフレンドリーで先進的な国であると戦略的に宣伝するピンクウォッシングの問題(そして反対にイスラーム社会=同性愛嫌悪で後進的な社会と表象する意図)など、多様なテーマによる8人の論考が収録されています。

在日本韓国YMCA編『交差するパレスチナ 新たな連帯のために』

植民地主義の過去を忘却しその歴史の延長と特権性を自覚しないまま生きる「日本人」としての自己については、岡真理さんの本にもあったが、改めてものすごく大切な視点。

そしてパレスチナ人女性が生きる複雑な現実(植民地主義、家父長制、ジェンダー暴力、性暴力の交差状況)に対して、家父長制の暴力だけを切り出して「救済の対象である犠牲者」としてのみ位置付け、抵抗する女性は「テロリスト」と単純化する西洋フェミニズムの欺瞞と問題について、自分もそうした抑圧に加担していないか直視しなければ、と改めて。

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