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2023年最初の読書は、モハメド・ムブガル=サール『純粋な人間たち』平野暁人訳(英治出版)でした。

過剰なまでに修辞を凝らした濃密な文体による主人公の独白が、徐々に自己の二分する内面に引き裂かれ、危険なほどの激情に苛まれてゆく中盤以降のドライヴ感に圧倒されて、ラストまで一気に読んだ。

語り手が選択する最後の「決断」からは、このラストをあえて描いた著者の激情も感じて、この物語がフィクションではなく現実世界の写しであることを改めて突きつけられる。広く読まれてほしい小説。

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