エマ・ストーネクス『光を灯す男たち』も好きだった。
灯台から忽然と姿を消した3人の灯台守に、何が起きたのか。20年後、彼らの妻や恋人が当時のことを語り始める。
失われた歳月で胸に秘めていたものを、各人がほとんど独白に近い形でじっくりと語るさまが濃密で、人生の輪郭がはっきりと立ち上ってくるのがとても良かった。
残された女性たちには、昔も今も真相は分からぬまま。
ラストのヘレンの独白は悲痛だけれど、彼女たち3人がこれまでの歳月を経て、これまでとは違うお互いへの感情をもって並んで歩き出す兆しにじんわり熱くなる。