年末の各種ミステリランキング本で毎年上位のアンソニー・ホロヴィッツ、今年の新刊『殺しへのライン』は、謎の散りばめ方も、登場人物たちの会話にも行動にも無駄な描写が何ひとつ無かったことに最後一番驚いた。
ミステリ小説の伏線(のように読める、というものも含めて)は全て回収されるべきとは思っていないけれど、ここまでキッチリしているのも凄い。
もはや腹が立ってくるほどに描写に矛盾も無駄も無くて、ここまで徹底してるミステリも珍しいと思う。

ただこの『ホーソーンとわたし』シリーズにおけるホーソーンのホモフォビア設定は、今後彼のどんな背景や過去が明かされようと絶対にダメだよ…。
「納得できる」ゲイ嫌いの「理由」が描かれるのかもしれないと想像するのもしんどい。
そこに触れる感想を全く見かけないので、新刊が出るたびに起きる絶賛ムードには毎度モヤモヤしている…。

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ホロヴィッツは『カササギ』シリーズでも、作中作の著者アラン・コンウェイを筆頭に何故か「邪悪なゲイ」を多く登場させてくるのがとてもキツイ。
著者のセクシャルマイノリティの描き方が危うくて毎回ハラハラするの、もう嫌だよ…。
特に2作目の『ヨルガオ』は相当にヤバかったと思ったが、誰も言ってなくない…?

『ヨルガオ』では作中作であるアランの小説の中で、障がいを持つ人物を変質者として描いていることに、主人公のスーザンが「障がいをよくないことと言っているにも等しい!」と、アランの本が偏見を助長することに憤っているのだが、それ、この『ヨルガオ』であなた(著者ホロヴィッツ)がセクシャル・マイノリティへ対してやってることでは!?と、今でも思い出すたびに新鮮にキレてしまう。

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