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今年の春に邦訳がやっと刊行されたアディーチェのデビュー作を読了。26歳のときに最初に出した本がこれ……才能に震えます。私は「半分のぼった黄色い太陽」にえらい衝撃を受けてオールタイムベストに入れているのですが、デビュー作にすべての芽がありますね。加害者と被害者のあざなえる縄のような関係、恐ろしく官能的な淡い恋の描き方、植民地支配の消えない傷、ジェンダーと政治、仔細に書き込まれる料理と食事のシーン、郷土への愛と家族の軋轢。なにもかもが今ここにある具体性に満ちていて、ナラティブの巧みさとはこういうものかとため息が出る。一度ナイジェリア料理を食べてみたい。

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