「手術なしで性別変更」の件、色んな人が述べていますが、これは不妊化要件を違憲としたさきの最高裁判断の際に、高裁差し戻しとなった部分です。急に出てきたのではなくあの文脈の続きにある(同じ人について)ということ。なのでこれをもって今からすべての人が手術なしで性別変更できるわけではない。
違憲の疑いとしつつ、申立人の性器の外貌を要件5に従って判断したかたちでしょう。ホルモン投与はむしろ手術より人間のあらゆる「外貌」を大きく変化させるものですが、それはあまり知られていないのですよね。と言いつつ、トランス当事者だけが性器の形状を説明させられたり、医者にその「萎縮」や「肥大」を観察されて意見書を書かれるというのは全く誤ったことだと思います。
こうしたニュースの際は必ず「手術してこそ本物」言説を、"GID規範"と一体化した当事者ほど言い立てるものですが、そもそも特例法制定時に当事者は要件についてどう思っていたのか、また正規医療の医師が登壇するイベントに参加する層がSRSについてどういう意識だったのか、がわかる資料を貼っておきます(2023年2月WEZZY MEETING 松岡宗嗣×吉野靫「手術しなければ性別を変えられない国」のスライドより)