KADOKAWAのヘイト本翻訳の件、明らかな問題をすでに指摘されてるものをわざわざ…とか、性転換とか伝染とか邦題の悪意…とか言えることはなんぼでもあるけど、「一般社会」ではトランス女性、MT系、AMABが話題になりがちだっただけで、FT系への「疑い」は当事者コミュニティ内でも普通に内面化されてきた話だからなぁ。思春期の女の子はそんなものとかはもちろん、コミュニティで力を持つ年嵩のMT系の人とかも、FT系へのものすごい偏見を普通に垂れ流してきてる(そしてなぜかほとんど問題にされてない)し……。もちろん「男指向」のFTMが「なよなよした」FT系を断罪することも常にあったし。
トランスヘイトってそういう内部が抱えてる差別偏見抑圧と無関係に存在してるわけじゃなく、事実シスのヘイターに当事者が材料を「謹呈」するのもよくある光景なので、この本もそういうふうに使われるだろうと思う。内部のヘイトや当事者間の相剋は(明らかに若い世代で減ってきてるとはいえ)根深いし、今の反ヘイト言説はそこへの着目が足りないと思う。