コミティア147で買って最後のページ見た瞬間に変な声が出た「パティスリー・ヘクセン」(室外機室 / ちょめ)がとなりのヤングジャンプに載ってる!読んで! https://tonarinoyj.jp/episode/2550689798287081413
追加の考察など
ちなみに最後、テナントビル工事のお知らせで地下2階建てになる(現状は地下室なしの地上2階建てのみなので新たに地下を掘る)というのが、つまり「今の地層を掘り尽くしたので一旦移転先で掘りつつ、テナント工事が完了したら戻ってきて更に深く掘る」という意味と理解しました。パティシエの目的は更に深い地層を使うことでケーキがどう変化するかを確認することであって、ケーキ内に色々混入してしまうのは不可抗力で意図したものではない、と解釈したけどこのへんは人によって受け取り方が違うと思う(ケーキは副産物でメインは出土品という考え方もありそう)
しかし意外とこのギミックに気付いていない人が多い。いや、気付いているけどそこに面白さを感じなくて「もっと何かあるのでは?」と悩んでるだけなのかも知れない。「分からない」と書いている人がどこまで分かってるのかこちらには分からないので……。
以下ネタバレ感想というか解説
ヘクセン(Hexen)はドイツ語で「魔女」の意味。つまりこのケーキ屋さんは、掘った地層を魔法でケーキに変えていて、あらかた掘り尽くしたので店を移転して新しい地層を掘り出した、ということ。どこを掘るかでケーキの味が変わるしいろいろ混ざってくる。最後の一コマが地面の下を写していて、その前のコマではスマホ画面で地形が分かるように描写されている(よく見ると川に削られた土地であることが分かり、地層が露出しているであろうことが予想される)。仕掛けに気付いて読み直すとあちこちにヒントが散りばめられていて面白い。
妻の感想は「どういうこと?」だったので、伝わらない人がいるかもしれない。解説読んでやっと分かったという人とはちょっと感動を共有できないかも知れない。すごくピーキーな作品だと思う。
室外機室さんの作品はこれまでもこういう「日常に突如入り込んでくる非日常」がテーマだったけど、今回はまた新しい仕掛けになっていて楽しかった。次回作も期待してます。