https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784910413136
『おくれ毛で風を切れ』読み。『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』の著者の日記エッセイ第2弾。家族との家での暮らしの日記なので、お子さん達に許可を取って出版されていることに安心する。著者から年齢一桁台(本の中では時を重ねて中3になるが)への子どもたちへの愛情はもちろんのこと、尊敬の念が語られているのがとにかく心地よい。年齢による経験不足で知らないこと・できないことを読み手を笑わせる材料として提供していない(と自分は感じる)。何より驚くのが食事の様子で、日々に必須の食事は頻出事項なのだが、あまりに自分のテーブルと違っていて新鮮。食べる必要性は同じでも、それぞれの内容でいいし、これが出来ていないと悩まなくてもいいんだなあ。
p.250三年を経て職場の桜の名称を知り「わかったとたんにあれこれの文章にヨウコウザクラと書きまくった。(略)街路樹が、もう自分と無関係ではなくなった。これだ、これこそがきみの名前を知ることそのものだ」に唸らされた。名前を知ることは関係性が新たになることでもあるのだ。
#読書
お子さんのひとりが中島敦の「名人伝」がすごいと著者に興奮を伝える場面があって、気になって読んでみたら確かにすごかった。トンチキ系の系譜じゃん