『成瀬は信じた道を行く』読み。成瀬第二作。一作目よりはインパクトが少ない。インパクトの少なさは成瀬の行動ではなく、お話の作りが「成瀬と会った誰かが前進する」ものばかりだからかな。いや後退して欲しいとかではないのだが。それぞれが短編なので余計に「出会いと前進」のテンプレートに感じてしまった。成瀬に奇抜なことをやらせて読者への見せ物にすることはない姿勢が貫かれているのは好感。あとやっぱり島崎あっての成瀬なので、お互いを思い合ってコミカルにすれ違う最後の大晦日のお話がめっちゃ好きだった。観光大使の相方、キャラクターは好きだけど、だからこそお話を『あの子は貴族』レベルに掘り下げて欲しかったところはあるよ。出版社が商売を急がせずじっくり書かせてほしいシリーズ。
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