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『絵本のなかへ帰る 完全版』読み
honto.jp/netstore/pd-book_3219
書店を経営する著者が自分の好きな絵本、自分を育ててくれた絵本を振り返るエッセイ。絵本を読んでもらった記憶を回想するお話が大半で「帰る」という言葉がぴったりだった。しかし喜びだけでなく、親しい人を亡くす悲哀や仕事の辛さもあり、石を齧りながらも子どもに絵本を届ける仕事への決意を語る場面もある。
自分は絵本をがぶがぶ読んだが、自力で読んだ時の記憶しかなく、読んでもらった光景の幸福が語られる度に覚えていられる人ってすげえなと思った。僕は本当に幼少の記憶を落として来た(忘れっぽい)ので、「子どもと本の記憶」という語りそのものが読んでいて良かった。
p.28『子どもが悲しい思いをした時、眠りはそれを薄めてくれる。眠れば、全てを忘れなくとも、悲しみは一夜また一夜と子どもたちから遠くなっていく。子どもたちよ、何の不安もなく、明日来る喜びのために深く眠れと願う』に涙ぐんだ。生きていくとは時が経つことだが、その時間は繰り返しではなく進行と変化で、「明日来る喜び」が必ず在るようにすることは、大人の責任だろう。

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