新自由主義時代に入り、一貫して一般従業員と役員報酬の差が拡大している。まず米英、次に欧州、日本にもこの傾向は波及。
今年国内でこの格差が最大だったのは、セブン&アイ・ホールディングで、役員のJ.M.デビント氏は77億3200万、従業員の平均給与は818万で倍率はなんと944倍。
ソフトバンク254倍の34億5800万、LINE・ヤフー245倍の20億800万の21億4900万である。
その上、セブン&アイ・ホールデンィングに典型的だが、非正規従業員との給与と比較した場合のの格差は「目も眩むばかり」。
「常識」から考えれば、社長の仕事が従業員平均の944倍の「価値」があるとはならない。むしろ、大組織の社長というのは、従業員の労働が生み出す「価値」から「搾取」している、ということになる。
ところが、新古典派経済学には「価値」と「搾取」の概念はない。むしろこの二つの概念を追放したことによって「新古典派」は「古典派」経済学から、「進化」したとされる。この立場からすれば、非常識な役員報酬も需給バランスによって決定された「合理的」なものとなる。
その上、世間の御用言説は、「人材」を確保するために「高い報酬」が必要だとこれを後押しする。これでは格差と貧困が拡大するのは当然とも言える。